薬理学の勉強が大切な理由
薬理学の知識は看護師として必須です:
- 投薬管理、与薬の安全
- 副作用の早期発見
- 患者さんへの説明
- 医師との連携
- 国家試験での出題
薬理学の勉強の基本
薬の分類を理解する
薬は作用する部位や目的で分類されています:
- 循環器系:降圧薬、強心薬、抗不整脈薬
- 呼吸器系:気管支拡張薬、鎮咳薬
- 消化器系:胃酸分泌抑制薬、制吐薬
- 神経系:鎮痛薬、抗てんかん薬、向精神薬
- 抗感染症薬:抗菌薬、抗ウイルス薬
- 抗がん薬:各種化学療法薬
覚えるべき4つのポイント
- 薬効(何に効くか)
- 作用機序(どう効くか)
- 副作用(注意点)
- 看護のポイント
効率的な覚え方
1. 系統別に整理する
例:降圧薬の分類
| 分類 | 作用機序 | 代表薬 |
|---|---|---|
| Ca拮抗薬 | 血管平滑筋弛緩 | アムロジピン、ニフェジピン |
| ACE阻害薬 | アンジオテンシン変換酵素阻害 | エナラプリル(語尾:〜プリル) |
| ARB | AT1受容体遮断 | ロサルタン(語尾:〜サルタン) |
| β遮断薬 | 心拍出量減少 | プロプラノロール(語尾:〜ロール) |
| 利尿薬 | 循環血液量減少 | フロセミド |
2. 語尾で覚える
多くの薬は語尾でグループが分かる:
- 〜プリル:ACE阻害薬
- 〜サルタン:ARB
- 〜ロール:β遮断薬
- 〜ジピン:Ca拮抗薬
- 〜スタチン:HMG-CoA還元酵素阻害薬
- 〜プラゾール:PPI
- 〜セトロン:5-HT3拮抗薬(制吐薬)
3. 作用機序から副作用を理解する
例:ACE阻害薬
- 作用:アンジオテンシン変換酵素を阻害
- →ブラジキニン分解も阻害される
- →ブラジキニン蓄積
- →空咳(副作用)
例:β遮断薬
- 作用:β受容体を遮断
- →心拍数減少(β1)
- →気管支収縮(β2)
- →徐脈、喘息悪化(副作用)
4. 語呂合わせを活用
例:ワルファリンと相互作用のある食品
「納豆食べたらワルかった」
- 納豆(ビタミンK)がワルファリンの効果を減弱
例:ジギタリス中毒の症状
「おしろいお化け」
- お:嘔吐
- し:視覚障害(黄視)
- ろ:徐脈
- い:胃腸症状
5. 図やイラストで理解
作用機序は図で視覚化すると理解しやすい:
- 受容体と薬の関係
- シグナル伝達経路
- 臓器への作用
分野別の勉強ポイント
循環器系の薬
重要な薬剤:
- 降圧薬(Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARB)
- 強心薬(ジギタリス)
- 抗不整脈薬
- 抗凝固薬(ワルファリン、ヘパリン)
- 抗血小板薬(アスピリン)
覚えるポイント:
- 各薬剤の作用機序と副作用
- 禁忌(β遮断薬と喘息など)
- 相互作用(ワルファリンと納豆など)
消化器系の薬
重要な薬剤:
- PPI(オメプラゾール)
- H2ブロッカー(ファモチジン)
- 制吐薬(メトクロプラミド)
- 下剤(酸化マグネシウム、センノシド)
神経系の薬
重要な薬剤:
- 鎮痛薬(NSAIDs、オピオイド)
- 抗てんかん薬
- 向精神薬(抗うつ薬、抗精神病薬)
- 睡眠薬
注意点:
- NSAIDsの副作用(胃腸障害、腎障害)
- オピオイドの副作用(便秘、呼吸抑制)
- 向精神薬の副作用(錐体外路症状)
抗菌薬
分類と特徴:
- ペニシリン系:細胞壁合成阻害
- セフェム系:細胞壁合成阻害
- マクロライド系:タンパク合成阻害
- キノロン系:DNA合成阻害
- アミノグリコシド系:タンパク合成阻害
覚えるポイント:
- スペクトラム(効く菌の範囲)
- 副作用(アミノグリコシドの腎毒性・耳毒性など)
糖尿病治療薬
分類:
- インスリン製剤
- スルホニル尿素薬(SU薬)
- ビグアナイド薬
- DPP-4阻害薬
- SGLT2阻害薬
看護のポイント:
- 低血糖症状の観察
- シックデイの対応